上州風/2号「あすなろ忌」
楽器片手に並んだ4人の音楽家は、群馬交響楽団OBの皆さんです。そして、その後ろの洒落た外観のカントリー風ショップは、ジーンズなど売る若者向けの衣料品店の入り口なのです。高崎市の鞘モールにあるその店は、かつての音楽喫茶「あすなろ」をそのままにその面影を残しています。「あすなろ」は、群馬交響楽団を支援し、詩と音楽を中心に多彩な文化運動を展開したクラシック喫茶として多くの芸術家をひきつけた、かけがえのない場です。今回の特集は、その「あすなろ」と群響(群馬交響楽団)です。この表紙の撮影をする前にあすなろ時代の名曲鑑賞室だったジーンズショップ奥において、当時に思いを馳せながら四重奏を演奏したのでした。これがきっかけに「あすなろ忌」と称して毎年春になる頃、詩人たちが中心になって、「あすなろ」とその主人で詩人の崔華國を偲ぶ会が開催されています。
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