コレクション1 名画の花束ーモネ、ルノワール、ピカソ、ローランサン・・・

 クロード・モネの「色彩レイアウト」感覚の素晴らしさは、あらためて驚かされます。《睡蓮》というモネのライフワークだったこの作品群のひとつに、その上に文字をちょこちょこっと簡単に配しただけでレイアウトが完成です。デザイナーとしてはなんだかあっけなく、でもちょっとした充実感・・・。
 さて、かって油絵を描きはじめた中学生の頃、印象派の画家達はやはり気になる存在でした。ヨーロッパの近代絵画はとても新しく感じ、本当に魅力的でした。しばらくして、高校生になるころには次第に時代を遡りルネサンス絵画などにも魅了されました。油絵学科の大学生になると抽象表現主義、ポップアート、コンセプチャルアート、具体、モノ派なんでも興味をもったものの何もできなかった。時が経ってあの頃と異なる立場と視点で接するモネも良いものです。

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コレクション2 洋画の足あと

 高崎(旧箕郷町)出身の画家山口薫らが設立したモダンアート協会展へ出品するきっかけは、フカマチ画廊(高崎)で初めての個展をした折、小倉ポオ氏のお誘いからでした。10年間ほど出品して、その間安井賞展などにも出品させていただき、後に退会しました。日本洋画会の巨匠たちの作品は西洋の影響をうけながらも独自なスタイルと表現をそれぞれが確立しています。なかでも山口薫の作品は、私にとって格別です。その影響をうけてのモダンアート協会展出品の10年間だったと思います。考えてみるとデザインのお仕事に従事してからも同様にその影響下にあったことを実感しています。今あるデザインのお仕事のベースはそこのあるのかもしれません。きっと

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コレクション3 美術を楽しむ方法

 こんなにも美術作品が多様で楽しいものなんだと、あらためて感じさせてくれるコレクション展です。デザインにも少しばかりそれを反映させようとしてみました。
 さて、自宅の玄関にはオノサト・トシノブの星印をモチーフにしてシリーズ化したハガキ大のシルクスクリーン版画作品が4点並んでいます。親しくさせていただいていた画廊の方からとても安く分けてもらったものです。(数千円くらいだった)時々教室に通う受験生が平面構成の参考にもして役だっています。ここでは、私と同世代の作家の作品もあって、随分前ですが福田美欄氏は同じ展覧会に出品させていただいたことがあります。ちなみに美欄氏のお父様は世界的に有名なグラフィックデザイナーの福田繁雄氏です。

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コレクション4 アートの箱庭 昭和庁舎でみる現代美術

 美術がいかに新しい表現を追い求めているかがよくわかるコレクション展です。アートも進歩・発展を続けているのです。だって世の中もコンピュータや携帯電話など本当に急激に進歩・発展している。それだけが昔のままも可笑しなものです。
 さて、これらの作品がやけにデザイン的に感じるのはどうしてなんだろう?写真や動画画像など・・・。あるところではアートとデザインの境目がほとんど無くなってきている。アートが計画図をドローイングにしてみたり、表現媒体をいろいろ工夫してみたり。デザインが実験的な試みとして座れない椅子をデザインしてみたり、ワークショップを通じて経験をデザインしてみたり・・・。なかなか面白くなってきた。

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コレクション5 南城一夫

 前橋市馬場川沿いにあった南城一夫のアトリエ兼住まいは草木がうっそうと生い茂って、街中にあってそこだけ特別な異空間でした。そこからほどないところに焼夷弾をうけながらも幸運に空襲から難を逃れた清心幼稚園があります。なんとそこには南城一夫が訪れて描いたという古ぼけたオルガンがありました。朽ち果てつつあったアトリエも園児たちが元気に遊びまわっていた旧清心幼稚園舎(新しい園舎となっています)ももう今はありませんが「るなぱぁく」(旧中央児童遊園)の木馬館は、この展覧会の後、間もなく登録有形文化財になって、今なお現役として子どもたちを乗せて元気に夢の世界を駈けています。ちなみにに「るなぱぁく」のサイン・ユニフォーム等のロゴタイプは、前橋出身の詩人伊藤信吉(故人)の書をもとにして寺澤事務所(寺澤)がデザインしています。

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コレクション6 北の国のものがたりームンク、カンディンスキー、ココシュカ、シャガールの版画

 北欧の作家たちの版画集、詩画集が並んだコレクション6は、イエローからグリーンへ移り変わるグラデーションでデザインしました。もともと版画も印刷も同じ技術です。だから油絵などのマチエールや作品の照り返しなどをあまり心配せず作業ができて印刷物に馴染みやすいようです。ここに展示されたシャガールの作品のほとんどがリトグラフ(石版画)といって、この技術が改良されて現在のオフセット印刷になりました。もちろんここに並んだ印刷物は全てオフセットで印刷されています。版画技術の発達によって1点もののタブローから、たくさん制作可能な版画が流通するようになって美術が身近になって庶民のものになりました。

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コレクション七 日本画とのひととき

 コレクション展の回数数字をデザイン素材として使ってきましたが、日本画展ということで漢数字(七)表現にして、タイトルや解説文等も縦組にしてみました。
 さて、長いことアートとデザインの世界に関係してきましたが、何故か日本画とはあまり縁がありませんでした。でもそんな中で、このコレクション展に出品している塩原友子氏にはいろいろお世話になっています。今から十数年前、医師の由上修三氏の支援で行った展覧会で私の小品を購入いただきました。また、縁あって塩原友子「わがこころ」(上毛新聞社刊)の書籍デザインもさせていただいたのです。このコレクション展の解説にもあるように、いったい日本画ってなんだろう?と考えてみると塩原氏の作品には、そういう枠組みを忘れさせてくれる縦組ではない作品が多いのです。だからあらためて日本画家塩原友子と聞くと何だか不思議な感じを覚えます。

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コレクション8 横堀角次郎

 暗く沈んだ表現で麗子像を描いた岸田劉生に影響を受けた横堀角次郎を紹介するコレクション展8は、そんな暗さを払拭するようなシアン色のグラデーションでデザインしました。角次郎は木黄(もっこう)という雅号を持っていて日本画も描いたとか。木黄は横堀の横の部位からとったといいます。けっこう洒落たところがあったのです。随分前、デザインのお仕事で地元の金融機関の本社を訪ねた時、角次郎の作品をを観る機会がありました。故郷によせる愛情のある風景画をPRに活用したらと提案しましたがうまくいきませんでした。とても良いアイデアかと思ったのですが・・・。合併合併でいまはもうその名の金融機関はありません。

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コレクション9 名画の餐宴ーベスト・コレクション

 このコレクション展は名前の通り昭和初期に建てられたという群馬県庁昭和庁舎で続けられました。そんな昭和庁舎昭和の趣にあった展示企画ということでコレクション9のビジュアルは少しばかり装飾的なタイトルとバックの地紋もそんなことを意識したものになりました。ベスト・コレクションとあるように県立近代美術館のコレクション1,700点の中から選りすぐりの東西の名画が展示されたのでした。「名画の餐宴」のタイトル周りにある葉っぱや木の実のシルエットは美術館がある群馬の森で採取したものです。馬のシルエットもやはりそこのあるブルデルのブロンズ像からなのです。裏面の地紋は表面のルドン作《ペガサスにのるミューズ》の部分を使っています。

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コレクション10 司 修

わが故郷に帰れる日
汽車は烈風の中を突き行けり。
ひとり車窓に目醒むれば
汽笛は闇に吠え叫び
・・・・

前橋人にとってたまらない一節です。
前橋出身の司修氏は執筆活動でも良く知られ、また、詩や文学から強い影響を受けて多くの絵画も制作しています。萩原朔太郎の「郷土望景詩」「漂白の歌」からインスピレーションを受けて作品を残すのも当然に思えます。国民文化祭において司修氏監修の「いのちの詩」の朗読のお手伝いを息子たちとしたことがあり、そこで司氏の指導を受けたことがありす。書籍の挿絵や装丁なども多数手がけ本当に多彩な人です。朔太郎も司氏も前橋にとってかけがえのない人です。

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画面上部の地紋になっている文字は、萩原朔太郎の「帰郷」(氷島より)です。 


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