222 氷と戯る
氷は、冷蔵庫でできるものと相場は決まっている。ところが庭にある、金魚が泳ぐ瓶に分厚い氷が張るということは、戸外が冷蔵庫状態になっているということ。薄氷だったら朝日が上って、日当りが良くなる昼頃には、すっかり解けてしまうはずの例年だが、今年は分けが違う。なんてことだ。昼過ぎてしばらく経過してもこんなにも分厚く、立派な氷が張って、解けぬままなんて・・・。この分厚いお盆のような氷を両手で捧げ、辺りを見渡してみれば、氷を通して別世界が輝き広がっている。空っ風吹くカラカラの乾燥した世界がヒンヤリ氷の世界に変貌します。威勢良く割った氷の破片を掌に入れれば、解け始めた姿が大きな宝石のようだ。舗装道路で石蹴りさながら蹴飛ばしてみればどこまでも飛んで行く氷。
決して言うまいと思いつつつい「寒い」と口に出てしまうほど寒い日が続いています。