手でつくる あそぶ みつける Feed

2016/04/01

234 技術の道

TECHROAD(吉田鉄工所)のCIとサイン計画を紹介させていただきます。

かれこれ今から四半世紀前(1992年にデザイン誌に発表、スタートは1990年頃)に手がけた仕事ですが、昨年(2014年)本社工場移転にともなってロゴの微調整と施設サインデザインを実施しました。

TECHROADは、小さな町工場からスタート、戦後の高度成長期にともない業績を延ばして建設用鉄骨の生産、自動車部品の製造などを手がけ着実に業績を伸ばしてきました。今回、高層ビル対応の鉄骨製作を可能にする広々した本社工場を建設するにあたり、再びお呼びがかかりました。

当時のCIは、社内CI委員会を立ち上げ「TECHROAD」(技術の道)という呼称の提案からロゴ、カラー、ユニフォーム、車両、PR等もろもろのデザインをおこし繰り返しプレゼンを行うという本確的なもでした。製造業ならではの保守的な面があり、殻を破るのにとても苦労した記憶があります。とは言うもののよくぞ駆け出しのデザイナーに任せて、役員が新たなイメージを最終的に承認してくれたものだとつくづく思います。

今回、デザインが時間経過によりどれだけ経年変化しているかを確かめ、リファインする良い機会となりました。思いのほか劣化することもなく、それなりによく馴染んできていると実感できるサインデザイン作業でした。

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2013/10/13

233 新島学園/記憶に刻まれるトイレ 『新島襄のことば』

長らく使われた施設は、次第に汚れ朽ちていき、改修や改築をせまられるものです。この新島学園南校舎のトイレも例外ではありません。 学校で多くを過ごす生徒にとってトイレは、必ず利用するものとして役立っています。 単なる生理的現象を処理する場所としてだけでなく、新しい役割や価値を見いだすことも考えられます。 そこで用を済ませる間、少しばかり寛げ、ゆったりとした時間が過ごせる空間にしつらえることは、とても大切なのではないだろうか? 喧噪から逃れ一瞬の孤独を得る・・・・。清潔に使うことを促す教育的な配慮も・・・。 そこで『新島襄のことば』をグラフィクシンボルとして活用してみしました。 ふと目にとまるデザイン化した文字が模様になって踊り、ちりばめられて・・・。 学園生活の潤いあるアクセントとして、後に記憶に残る不思議なトイレとして。

男子トイレ

Let us be like an unpolished Diamond. Never mind of the outward rough appearance if we could have shining part within.

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女子トイレ

庭上一寒梅 笑侵風雪開 不争又不力 自占百花魁

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2013/07/25

231 雨の日を楽しく

 透明ビニール傘を裏からマーカーでいろんな模様で色つけして、オシャレで楽しい自分だけの傘をつくりました。
 「あめあめ ふれふれ かあさんが  “じゃのめ”でおむかい  うれしいな~」は、憂うつな雨をとても楽しくしてくれる童謡です。この“じゃのめ”は、上端を中心に同心円模様で蛇の目のような大胆なデザインがされている傘「蛇の目傘」のこととか。シトシトと長引く雨はやっぱりうつなものです。そんな時、「ピチピチ  チャプチャプ」と水たまりも物ともせず、元気気分にしてくれるオリジナル傘はいかがでしょうか?雲の切れ目から差し込む日差しで、傘に描いた模様が足元に美しい影をも落とす優れもの傘です。「ランランラン」
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2013/07/21

230 三角形は難しい(鹿北小学校サイン計画)

 丸と三角と四角を並べて、見た目上同等のボリュームと安定した並び方をそれぞれの大きさと色を工夫して提示すせよという難題を出されたことがありました。この戸惑いながら行った学生時代の研究課題は、初めてデザインに向き合った時かもしれません。そもそもそんなこと可能なのかと疑いながら幾つもつくってみて眼をパチクリさせながら配置しては眺め、眺めてては調整した記憶があります。
 丸は究極の形で限りない魅力を持ってます。四角はスケッチブックやキャンバス、建物だって四角で構成されていてとても効率も行儀もイイ。そもそも三角形は難しい。座りが良いかとおもえば、ひどく不安定だったり、ほとんど手に負えないというのが私の印象だ。
 ある日手元に届いた図面、そこから見え隠れする幾つもの三角形。いったいこの施設はどうなっているのか?
 仕方ない三角形のチャレンジです。図面から導きだした不等辺三角形がこの鹿北市立山鹿小学校のサインのベースとなりました。三角形を組み合わせたさまざまなピクトサイン。ガラス面の衝突防止にもこの三角が一定方向を指し示しながらマーキングされています。クラスや他の教室、トイレ等を表示、誘導するボックスサインも不等辺の三角柱です。こちらもある方角を指し示しながら回遊できるよう各所に配置されました。どうでしょうか・・・・?やはり三角形は難しい。
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photo: Satoshi Asakawa

229 等身大の自分を描こう(中河原保育園)

 つい先日まで幼かった子どもたちがどんどん成長して、大人びた言動をしたり手に負えないことがしばしばです。いつの間にか成長した我が子を親たちは実感して、とても頼もしく感じます。子どもたちも自身の変化に気づく良い機会で、自分たちの体の仕組みや成り立ち、お友達との違いにも気付くのです。
 大きな紙に横たわって、自身のシルエットを大人たちになぞってもらいましょう。それぞれダイナミックなポーズをとって。頭、顔、肩、腕、手、胸にお腹に腰、足・・・・はて、それぞれの役割と機能は?
 現れたシルエットは意外に大きかったのに驚きます。身につけている衣服の様子や手足、もちろん顔や頭髪を描き進めると等身大の分身が姿をを見せます。自分というやつを理解するには、自分自身を描くことでより深く客観的になれます。卒園前の最後の保育参観日でのワークショップです。
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卒園式の日、園内に展示しました。(中河原保育園:http://www9.plala.or.jp/nakaho/)
 

2013/06/09

228 ナンバーサインと3,000枚の茶葉/お茶工場

造船技術を活かした船底を思わせるダイナミックなプラットフォームを持つこの施設は、多種多様な茶をつくりだす工場です。お茶の製造にふさわしい風光明媚な滋賀県甲賀市につくられたこの施設では頻繁に茶葉等の物資の搬出入が行われ、これらが滞りなく行われるためにプラットフォームのナンバーサインの存在はとても重要でした。庇にあたる稀な位置にサインを配置することを余儀無くされ、限られたスペースに素材感や昼夜の見え方をも考慮したスマートで視認性を考えたデザインがいく度となく検討されました。また、施設内外には、3,000枚を超える茶葉をシンボライズした模様がガラス面にマーキングされ、ブレンド等の製茶作業に欠かせない各スペースにはその工程を表すピクトサインも用意しました。時として無味乾燥な環境になりがちな工場施設を温かみのあるものへとひたすら心がけたのです。
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photo: Satoshi Asakawa

227 ツミツミピクニック in 群馬県立近代美術館/「TSUMIKIT」

木片を使って遊びながらさまざまな感覚経験やコミュニケーションを促す「TSUMIKIT」の第2弾が、高崎の群馬県立近代美術館において行われました。美術館ホールという環境で、しかも参加者数が読めないワークショプとあって木片の調達は、前回の高崎市市民活動支援センター(高崎市教育委員会主催)をこえるかなりの量を用意しました。その広々としたのびやかな空間を外部空間にみたてて参加者グループがあたかもピクニックするかのように、ここかしこにシートを敷いて「ツミツミピクニック」をするという仕掛けです。入口には山積みの木片が出迎え各所に設けたコーナーでいくつかの指令、例えば身体と心をほぐす「ツミキット体操」。「ざらざら」「つるつる」「トントン」「クンクン」など木という素材にグッと近づける体験等をしてからそれぞれが自由に楽しみます。木片で文字メッセージを作ったり、この場の環境を上手く利用した創造的な積み方を試みたり、型にはまらない表現を見せてくれました。また、今回も木片に彩色して自分だけの積み木を作って持ち帰ることができました。

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2013/1/27 10:00~15:00
群馬県立近代美術館(高崎市綿貫町 群馬の森公園内)
主催:群馬県立近代美術館
企画/実施:寺澤事務所・工房
協力:清水製凾、育英短期大学、中央情報経理専門学校保育福祉課

2013/02/12

226 シャボン玉保育園「お話のシャボン玉」

 そっと息を吹込むと虹色に輝きながら幾つもいくつも生まれ、風にのって気ままに漂うシャボン玉。みんなの周りを楽しく遊んでいたかと思うと、次は風に吹かれて高く舞い上がってしまう。いったいどこまで行ってしまうのだろうか。
 シャボン玉は、子どもたちみんなの思いをのせて知らない世界を旅してくれる。優しく不思議な国へと誘います。
 この施設は、大小の丸窓をしつらえた外光を思う存分取り込む明るい保育園として計画されました。そんなことから施設のグラフィクテーマは、子どもたちの夢をのせるシャボン玉。子どもたちは大きなシャボンに入り込んだり、小さなシャボンを覗き込んだり自由気ままに楽しめます。園舎の幾つもの丸窓とそこから差し込む日差しや影と一体となって心を漂わせる不思議空間を目指しました。
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photo:Shinya Kigure

225 思い出ワークショップとスタンプグラフィック

旧園舎と新園舎を結ぶ創造的ワークショプ
 中河原保育園は、新園舎建設を進めるなかで旧園舎の思い出をより深く心に刻めないものかと思いめぐらしました。長きにわたり多くの園児を見守ってきたかけがえのない施設とお別れすることは、とても忍びないことだったからです。そこで思い出深い旧園舎とお別れする前に、園児たちとともに幾つかの創造的で楽しいワークショップを実施することにしたのでした。
 そのワークショップのひとつに「思い出の不思議な模様、カタチ(旧保育園舎思い出スタンプ)」があります。それは旧園舎の鍵穴、ネジの頭、ぎざぎざ、あちこちの思い出深い凸凹を探しだして、紙粘土をつかって型取りする思い出のスタンプつくりです。後日、どこで採取したか思い出しながら、新園舎で大きな紙にみんなでスタンプして遊びました。そして、このスタンプ模様が各クラスのお花のピクトサインに、花模様が遊戯室のグラフィックに、99種の模様が衝突防止マーキングとして活用されました。新しい園舎に旧園舎の面影と園児たちの行為が重なりあってグラフィックに生かされた良い例となったのです。
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出来上がったスタンプとカード
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スタンプを楽しむ子どもたち
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スタンプ模様が新園舎の衝突防止のグラフィクに活用されている。

2012/08/10

224 TSUMIKIT

 ツミキット(TSUMIKIT)は就学前(3〜5歳)の子どもたちがパパママたちと楽しく廃材の木っ端で積み木遊びと、自分たちだけの積み木セットをつくる「遊びとつくるを連携させたワークショップ」です。まずは、ツミキット体操からスタートだ。木工所から提供された木片はふぞろいで、使ってみると予想できないおもしろさがいっぱい。積み上げる高さを競いあったり、協力し合っていろいろなものをつくりあげます。参加者には「できるかな?手をつかわずに積み木せよ。」「Freeeeeeze!とうさんのおなかの上で積み木せよ。」など無理難題の指令(ツミキミッション)がつぎつぎ出されて、これを親子で、みんなで、仲良く解決します。最後になじんだ木片を選んで彩色、積み木袋につめて自分だけの積み木セットをつくって、ここでの愉快な経験をお家に持ち帰ります。

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ツミキットのお兄さんによるツミキット体操

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「Freeeeeeze!とうさんのおなかの上で積み木せよ。」

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ツミキット・アニメーション配信中 http://www.youtube.com/watch?v=x7lbYcPnn7Q

2012/7/14 10:00~12:00
高崎市民支援センター
対象:就学前の子どもたちと父母
主催:高崎市教育委員会
企画/実施:寺澤事務所・工房
協力:清水製凾


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