194 桜山小学校での試みーその2 文字の色について
新聞を広げたり、本を開いた時。そこにある印刷された文字たちの大きさや配列、もちろんそれらが意味する文脈を意識、判読するものの文字の色まで気にする人はそうはいない。大きな筆にたっぷりの硯の墨をふくませて半紙に文字をしたためる書。生き生きとしたかたち、はねやとめ、かすれやにじみといった書ならではの限りない多様な表現のなか、墨の色こそ大切な要素だ。黒々とした墨の意思の強さ、うっすらとした薄墨の柔らかさ奥ゆかしさ。このサイン計画では、表記するひとまとまりの文字に3段階のグレートーンを混在させてみました。個々の持つ文字の視覚的意味を色によって少しだけ変えてみる。はたしてどうだろう?色で文字のもつグラフィカルな力がより引き立つ時があることを確認できるだろうか。