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2009年7月

2009/07/24

188 伊三郎の椅子

実質ブルーノ・タウトを呼び寄せたという上野伊三郎は、群馬工芸所(群馬産業技術センターの前身)の初代所長としてしばらく間、群馬で過ごしました。京都出身の伊三郎は、関西を中心に「日本インターナショナル建築会」とう建築運動を立ち上げ、タウトはこの会に招聘されて日本へ立ち寄ったと言えます。ドイツ人でデザイナーのリチ婦人とともに伊三郎は、工芸所で地元群馬の山間部に自生する篠竹を活用して、地元の職人によってつくられる椅子と卓子のデザイン、製作しました。これらは、タウト指導のもと井上房一郎によって出店されたミラテス(銀座店と軽井沢店がありました。)というデザインセレクトショップに置かれ市販されたと言います。写真のみ残されていたそれらの一部が、タウトが日本滞在中唯一デザインした熱海の日向別邸の地下室で発見されたのです。一時この椅子の復元を模索していましたがしばらく頓挫しています。でも、いつか再現したいと思います。そこには、きっと群馬の産業を元気にするヒントがあるかもしれせんから。

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伊三郎がデザインした椅子と卓子

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日向別邸で見つかった伊三郎の椅子と卓子。
これを手がかりに復元したい

2009/07/16

187 贅沢な昼食

これほど暑くなるちょっと前のことです。50年も前に封印されて、ようやく姿を現した壁画の鑑賞に桐生へ行きました。織物の街桐生は、本町通りの有隣館やからくり人形、月一の骨董市など魅力と話題満載の街です。昔、毎日仕事に通っていた時は、自宅と桐生の往復でその奥深さを体験できなかったのが残念です。そのころから伝説になっていたある店の漆喰の壁面から、あの棟方志功の壁画が姿を現したのです。桐生の奥深さというか物持ちの良さというか本当に驚きです。棟方志功を知ったのは、フーテンの寅で有名な渥美清が志功を演じたTVドラマでした。超ど近眼の黒眼鏡をかけた主人公が版木にひたすら向かって彫っている姿が目に焼き付いています。後日、本当の志功が版木をなめまわすように創作をしている姿にびっくり。その映像をみただけでも棟方志功の魅力が伝わってきました。半世紀も前に描かれたと思えないほどスッキリした壁画を観ながらの贅沢な昼食でした。

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つい先日描かれたよう


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薄暗く不気味な店内の様子


2009/07/15

186 夏休みの絵日記「とうさんよろしく」

いつもよりちょっと早く梅雨が明けました。数日すると子どもたちは、夏休みになります。残念なことにおとなになるとだんだん夏期休暇への期待はうすれてしまって、お荷物のように感じることすらあります。でも我が子が幼いころの夏休みは格別です。子どもたちは解き放たれた自由な時間を手にいれ、思いっきり遊ぶ夏休み。真っ黒に日焼けしてお風呂に入るとお尻が真っ白けで、こんなに色白だったかと驚かされます。とにかくいつもと違う日々がある。でも当然、宿題という悩ましい荷物があったりなんかして・・・。夏休みの宿題の定番といえば絵日記だった。近頃もそうなんだろうか? ここに家族旅行を克明に記録し、その楽しさを豊かに表現した絵日記があります。それを見るとあの時のあの場所へすぐにタイムスリップさせてくれます。絵日記の魅力は、文字で表せないことを絵で、絵で伝えきれないことを文字でと互いに補うので内容に奥行きがでます。だから楽しい思い出を封じ込めるのには最適なのです。今年もとうさんがんばります。

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2009/07/08

185 水鉄砲

先端をバケツの中に入れて、棒を引くとキューと音をたてて水が筒の中に気持ちよく吸い込まれます。いっぱいになったところで棒を一気に押すと竹筒の先にあいた小さな穴から勢いよく水が飛び出し気持ちのいいことこの上ありません。そう、水鉄砲です。夏の教室では針金で手製のポイ(金魚をすくう輪っかのこと)をつくって金魚すくいをしてみたりソーメン流しをしてみたり、水を使った遊びをよくします。程よい太さの竹を用意したら一方だけ節をのこして切ります。残した節の真ん中あたりにキリで穴をあけます。(孔の大きさが肝心)これが水の出入り口になるのです。棒の先に竹筒の内経にぴったりになるよう引き裂いた手ぬぐいをぐるぐる巻きにして、水を押し出す押し棒をつくります。当然布は竹筒にピッタリ納まるようしかも簡単に取れぬようしっかり巻きますが、少々隙間があってもOK。漏れた水が飛び出して自分にふりかかってとても爽快だから。水鉄砲で遊べば打ち水の代わりになるので地球に優しいヨ

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184「枯れ葉のコートで冬支度」

モクレンの葉っぱをかき集めて暖かで洒落た上着をつくってみました。そんな枯れ葉を庭一杯に敷き詰めたのは、昨晩吹いた木枯らしのせいです。黄褐色の落ち葉が秋の朝日をうけて黄金色に輝いています。日毎に寒くなるこの季節、落ち葉を使ってつくられた洒落たコートやジャケットを蓑虫のように身にまとって散歩してみるのはどうでしょう。枯れ葉が土に帰ってしまうまえに。自分の身体にあわせた型紙を貼り合わせて、かき集めた葉っぱをただただ貼り付けるだけです。やっぱり接着は両面テープが良いでしょう。冷たい秋の雨が染み込まないように葉っぱは下から上へ隙間無く重ねながら貼っていきます。できあがったら早速そでを通してみましょう。意外に軽くて暖かい。これを身につけて森を散歩したら、きっと森にとけ込んで自然と一体になってしまうでしょうね。

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183「マスクマン」

今年もとうとうマスクをする人の姿が目立つ、あのいまいましいインフルエンザの季節がやってきました。風邪やインフルエンザの予防はというとひたすらウガイと手洗いでしょう。注意しないととんでもない高熱でうなされなければなりませんから。近頃の予防マスクは抗菌仕様だったり顔によく密着するようにできて、いろいろ工夫がほどこされています。さて、教室にも恐ろしいウイルスが漂っていてはとみんなの分のマスクを用意しました。でも、真っ白な同じマスクをそろってかけている様子を想像すると少々怖いものがあります。だからちょっと工夫をして、白いマスクに犬や猫などの動物の鼻面やひげ面、牙のでた口、裂け口など。それはそれは面白い絵を描いてみましょう。機能優先のマスクも楽しいものになります。

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182「太陽とともだちになる」

春分の日が過ぎると急に日差しだけが春らしくなって、それでいて風はやたらと冷たく視覚と肌感覚がチグハグで激しく身体が戸惑ってしまいます。何度となく春を迎えているはずなのに、なかなか慣れない初春の到来です。3月生まれだというのに・・・。本格的な春を待ちながら太陽を友だちにして戯れるのもこのころの楽しみです。ロジャー・アックリングという英国生まれのアーティストは、世界中を旅しながら何時でも何処でも頭の上にある太陽の力を借りて流木などの廃木材に虫眼鏡で日差しの痕跡を残すサンドローイングという作品を残しています。虫眼鏡は微細な事物を拡大するだけでなく、太陽の光を集めて焦げ目でドローイングすることもできるのです。ちょっと注意が必要ですが、じっと辛抱強く光りを集めて木片に焦げ目をつけたり、画用紙に鉛筆描きした線の上を集めた光をなぞって焼き切るのも不思議に楽しい。太陽の限りないエネルギーを実感します。


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181「見えないものが見えてくる」

紙に絵の具をたらして二つ折りにしてみると、奇妙な左右対称の染み模様が表れ出ます。スイスの医師ロールシャッハさんは、この偶発的な模様を見て何を想像するかで人の性格を分析する方法をあみ出しました。また、シュールレアリズムという絵画運動の画家たちは、デカルコマニーという技法で絵を描いています。この手法も絵の具を紙にたらして別の紙に転写して意図しない色や形を生み出すというものです。自分ではどうにもならない偶然を味方にしていつもと違う驚きのある絵を描こうというこころみです。絵の具は、水分の少ないどろっとした状態がよいようです。乾かぬうちにしっかり二つ折りにするか、他の紙に転写します。誰にでも簡単に不思議な模様がつくれるので、繰り返しやってみましょう。現れた模様からいろいろな形を連想して加筆してみたり、タイトルをつけて言葉をそえてみるといままで見えなかった形を発見します。ちょっとばかし心の目を開いてみると見えなかったものが見えてくる。心理テストはともかく、想像力を鍛えてくれる良いトレーニングになりそうです。 R0010117 R0010121 R0010123 なんだかカエルのようだよ

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