手でつくる あそぶ みつける Feed

2010/11/22

212 「ドングリ家族の大集会」

カシワ、ミズナラ、コナラ、クヌギ、ナラガシワ、アベマキ、ブナ、ウバメガシ、イチイガシ、アカガシ、アラカシ、ウラジロガシ、ツクバネガシ、シリブカガシ、マテバシイ、スダジイ、ツブラジイ、驚いたことにこれみんなどんぐりたちが実る木々らしい。以前、福岡生まれの知人から煎ったシイの実が露天で今でも売られていてとても美味しいと聞きました。人類がドングリを主食にしていた時代があって、土器はドングリの灰汁(あく)ぬきのため発明されたと言われています。さて、「ドングリ家族の大集会」を清々しい秋晴れの“るなぱぁく”で行いました。たわわに実ったたくさんのドングリの中から自分の家族によく似たドングリを発見して、それぞれに目鼻を描いてドングリファミリーをこしらえるのです。家族のこといつも空気のような存在で、とても大切なのに時々忘れてしまうことよくあることです。できあがったドングリたちを仲良く並べてみたら一粒のちさなドングリが人と人、家族の心を繋ぐインターフェイスになるかも知れません。ドングリは人類になくてはならない木の実だったのを実感します。

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せいぞろいしたドングリ家族たち

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2010/11/13

211 ナンでもカンでもスタンプ その2

『ごろごろどこまでも・・・つながりスタンプ』
コルクでできたワインの蓋は、洒落ていてあっさり捨ててしまうには惜しい。だからと言って何に利用するか思いつかなかったけれど、コロコロスタンプに最適なことを発見しました。紀元前の古代メソポタミアでは、シリンダーと呼ばれている円筒印章を粘土に押し付けて図や文字を転写していました。ここでは、父さん母さんの飲んだワインのコルクに両面テープを貼ってタコ糸をクネラせながら巻いていきます。途中で輪っかにしてみり波模様にしてみたりしてみましょう。できあがったらたっぷりインクをつけて、大きな紙にゴロゴロやってみましょう。そう言えば、縄文土器も縄を土器表面の粘土にゴロゴロはわせて模様をつけたんだった。トイレットペーパーやテープの芯など円筒形のものだったら大丈夫だね。さがして試してみよう。

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大きな紙だと気持ちいい

210 ナンでもカンでもスタンプ その1

汚れてしまった手で物に触れると指紋や手形がつくというあたりえの事象が、ちょっとした造形遊びのきっかけになります。もともと別の作業をしていたのに、偶然白い紙に指跡がついてなんだか不愉快だったけど、気をとりなおして前向きな気持ちになって、この際だからペタペタやってしまえとばかりに指先から手のひらまで色だらけにして「ナンデモカンでもスタンプ」だ。来年の干支は、ウサギだから小指はピンとのびた耳。親指が身体だったら、しっぽは人差し指でチョコンと・・・。いろいろ工夫して試みてみましょう。汚れた手はあとでしっかり洗えば良いのだから。

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あれ?ねずみかな

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2010/11/09

209 水切りの石

今回で8回目を迎える野焼きパーティーは、今年も好天に恵まれ、ちょっと暑いくらいの日差しの中、無事終わりました。野焼きは、原始人になりきって自分でつくた粘土の作品を鏑川の河原で素焼きするイベント。ここでは、マッチで火をつけたり燃え盛る炎の強烈な熱さを感じて自然の力を思う存分体験するのです。この石ころだらけの河原だったら、当然思いつくのが水切りです。ゆっくり流れる川面に点々と石が水を切ってまるでトビウオか産卵するシオカラトンボのように進むと、それはそれはスカットします。そんな爽快な気持ちになるには、円盤状の都合の良い小石を見つけ出すのが肝、それから野球でいうサイドスローで川面に滑るように超スピードで投げることが要求されます。なんとギネス世界記録は、51段という強者がいて大の大人が夢中になっているとか。掌に馴染む水切りに最適な小石を見つけると、どこまでも水を切って飛んでいきそうなので、ついついポケットに入れて持ち帰ってしまいます。

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水切り用石コレクション

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見上げるとこんな清々しい空

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2010/11/04

208 暗闇は無限に広がる(DIALOG IN THE DARKにて)

 歳を重ねると幾つもの体験を積んで、初めてのこともほとんど分かったつもりになったり、以前の経験から想像することで感激が薄れてしまったりで何だかつまらない。
 出会った仲間6人と共にとてつもなく刺激的な?秋の大運動会を楽しみました。先ずは恒例の玉入れ、次はリレー、最後は宝探しと。汗をかいた後は皆で干草の上に横になってしばし休憩。お次はカフェへ、それぞれ好みのドリンクで喉を潤しながらおかれた状況を懸命に把握しながら五感をフル回転させ・・・。
 なにあろうこの体験は、真っ暗闇での出来事と聞いて驚かれることでしょう。眼の不自由なアテンドの導きで怖る怖るの未知の世界は、どれもこれも本来明るい日の光の下、視覚をたよりに行うはずのもの。手をのばした僅かな空間が感じとれる最初の世界。次第に同行する仲間たちの息づかいを感じ、世界が広がります。でも光の無い暗闇は、実は流れる空気や遠くで響く音を感じとれる全てが私たちの世界で、目で見渡せる以上に大きく無限なんだと感じます。見ることでいかに分かったつもりになって世界を狭めているかを知りました。
ダイアログインザダーク
http://www.dialoginthedark.com/forv/index.html

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2010/10/24

207 マキワリ少年

スキマスイッチの「全力少年」は、♩積み上げたものぶっ壊して、身に着けたもの取っ払って〜渇いた脳を潤せ〜僕らは全力で少年だった〜♩と唱う。そして、♩遊ぶこと忘れてたら老いて枯れんだ(置いて行かれんだ)ガラクタの中に輝いていた物がいっぱいあったろう?♩と続く。で今回は、「全力少年」真っ最中の唱くんの薪割りを紹介します。今時、鉈(ナタ)を常備してある家なんて探してもなかなかありません。子どもの手には少々重いアトリエの鉈は、柄に藤丸屋という屋号の焼き印の入ったなかなかの年季もの。きっと昔、宿の囲炉裏や竃(かまど)、風呂等の火おこしに使用人たちが重宝していたことがうかがえます。木工作ではノコギリでギコギコ、カナヅチでトントンが定番ですが、もっと素早く角材を切れないかと道具入れの奥から引っぱりだしてきたのがこの鉈というわけです。やっぱりノコギリのように美しくきちんと切れませんが、鉈ならではのダイナミックな作業は、少年にとってとてつもなく刺激的な行為だったようです。それで彼の歌は、♩怯えていたら何も生まれない〜セカイを開くのは僕だ〜で終わるとってもイイ歌詞です。

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「これはちょっと無理でしょう」


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2010/10/09

206 分解ワクワク

音の出なくなったラジオ、動かなくなったゼンマイ式目覚まし時計、古ぼけた小型フィルムカメラ。すっかり使い物にならなくなってしまったガラクタたち。どれもこれも立派に動いて役にたっていたのに、何だか愛おしい。最近のラジオや時計、カメラたちはハイテクになってとてもじゃない手に負えない。でも、旧式機器たちだったら何とかなりそうだし、このまま廃棄処分じゃもったいない。せっかくだからいったいどんな仕組みになっているのか分解してみました。ネジを外し、そっとボディを開けると普段は見られない中味が姿を現し、赤や白のコード、歯車やぐるぐるまきのゼンマイ、小さなバネやピン。たくさんの部品が片寄せ合っています。なんてわくわくさせるのでしょう。ちょっとした拍子に音を立てて動き出してびっくり。それぞれ部品が何処かへいかぬよう、どこに使われていたか忘れぬよう注意しましょう。ほどよくバラバラになったら、こんどは組み立てです。すっかり元通りになったら分解組み立て作業は完了。何?ネジが一本余ってしまった。

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ねんのため部品をスケッチ

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無事完成

2010/08/07

203 染み込む絵

アトリエの入り口には、おおよそ3坪ほどのコンクリートでかためた土間があります。宅急便の受け渡しやちょっとした来訪者との立ち話、打ち合わせなど靴のままですますことのできる便利な空間です。もちろん汚れたり、ゴミのでる作業は、もっぱらこの土間で行います。この夏は、猛暑をしのぐため何度となくこの土間に水を打って涼を求めています。でもやっぱり暑い日は、雷とともにやってくる本物の夕立こそ私たちの火照を鎮めてくれます。焼けた地面にポツポツと落ちる大粒の雨の跡とともに鼻孔に飛び込んでくる夕立の匂い・・・なんだかたまりません。せっかくだからこの土間をキャンバスにして、たっぷりと水を含ませた太い筆で絵を描いてみました。水の染み込んだ筆跡がみるみる伸びやかかに広がります。てらうことなんかありません。一気に描ききらねばなりません。だってみるみるうちにぼんやりしてきて、終いには跡形もなく消え失せてしまいます。ところで、昔に比べて、なんだか夕立が少なくなったように感じます。

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2010/06/13

202 砂鉄マラソン

子どもの私にとって、壊れたモーターを分解すると現れる磁石という金属塊はとてつもない発見と喜びでした。何故モーターの中に磁石があるのか?どうして動くのか?よくわからなかったけれど、出てきた磁石は宝物で、その磁石で集めた砂鉄もとても不思議でならなかった。下敷きの上に砂鉄をのせて下から磁石を動かすと、まるで小さな生き物のように踊りだした。理科の実験でもそんなことをしたけれど、工作や遊び気分だった。そのころ、冒険へ旅立つ時に持参するものは?と聞かれたら、虫眼鏡や肥後守(和製ナイフ)とともに常に携行したい大切な道具類のひとつにあげたかもしれない。さて、もはや見向きもされなくなった磁石と砂鉄でひと遊びです。簡単です。厚紙に砂鉄選手が走るコースを描いてヨーイドンでマラソンです。厚紙の下から磁石を動かすと、小さな砂鉄たちがまるでマラソン選手のようにかたまりになって走りだします。途中棄権する選手がいたり、コースアウトしてしまう砂鉄君がいたりでけっこう愉快です。

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2010/03/27

201 ドングリ小僧 Hide&Seek 続編

 ドングリたちを街にかくしました。
 かくれんぼで、鬼にみつからぬよう上手にかくれるのには、鬼から見て死角になるような意外性のある場所がイイ。周りの様子をうかがえて、しかも居心地が大切。注意しなければならないのは、周りがほとんどうかがい知れぬ奥深い場所に入り込んでしまうことです。いったい何処にかくれたのか自分ですらわからなくなるほど真剣にかくれると、みなから忘れ去られてしまう。という恐ろしいことになってしまいます。
 残念なことに、街中の新しい建物のほとんどは、安全性を考慮して、私たちはおろかドングリ小僧たちがかくれる僅かな空間すらなかなか見当たりません。ドングリたちのかくれ場さがしであちこち彷徨い歩き、見えていなかった街の様子が見えてくる。建物の構造や道路の段差。街の表層しか見ていなかったことによく気づく。工夫された色鮮やかな看板を見てもドングリの隠れ家になりそうな隙間ばかりが目に飛び込んできます。きっとみんなが、ドングリ小僧たちを探す時にも同じ現象がおこるはずです。ドングリたちの様子を思い描きながら隠れた状態をイメージして、ドングリの目線で街(環境)をながめると見えない(見えていなかった)ものが見えてきます。

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